11月20日(金)から23日(月・祝)まで、電子音楽とデジタルクリエイティビティの祭典MUTEK.JP 2026が、今年から舞台を移したMoN Takanawa: The Museum of Narrativesで開催される。モントリオール発、アジアで唯一の開催地として今年で11回目。20日から22日は「A/Visions」と「Play」の2プログラムが並行して進み、国内外から20組が出演する。最終日の23日は、Richie HawtinとAli Demirelによる「PLASTIKMAN | POLYPHONIC FERMENTATION」の世界初披露。PLASTIKMANの名を冠した日本でのパフォーマンスは16年ぶりとなる。
モントリオールから東京へ。 アジアで唯一の開催地、 11年目。
MUTEKは、2000年にカナダ・モントリオールで始まった、電子音楽とデジタルクリエイティビティの国際フェスティバル。本拠地には毎年3万人以上が集まり、現在はメキシコシティ、バルセロナ、ブエノスアイレス、ドバイ、サンティアゴ、そして東京へとネットワークを広げている。
アジアで唯一の開催地であるMUTEK.JPは2016年に設立され、今年で11回目。オーディオビジュアルのショーケースを軸に、カンファレンスやワークショップを通じて、日本と世界のアーティスト、クリエイター、研究者をつないでいる。
高輪ゲートウェイ駅直結、 2つのホールを並行して使う。
MoN Takanawa: The Museum of Narratives
会場は、高輪ゲートウェイ駅直結の街TAKANAWA GATEWAY CITYにあるMoN Takanawa: The Museum of Narratives。JR東日本文化創造財団が運営する文化施設で、今年のMUTEK.JPはJR東日本との共催として、ここを舞台に4日間を組む。
使うのは2つのホール。シアタースペースのBox1000では、世界のオーディオビジュアル作品をショーケースする「A/Visions」。スタンディングのBox300では、音と映像、テクノロジーの関係を探る実験的なAVライブ「Play」。20日から22日は、この2つが同じ時間帯に並行して進み、パスポートがあれば各フロアの定員内で自由に行き来できる。
最終日の23日はBox1000のみでの開催。22日は全席着席、それ以外の日は1Fスタンディング、2F着席となる
日ごとにテーマを持つ3日間と、 最終日の単独公演。
DAY 1 | 11.20 (Fri)
A/Visions 1 | Box1000 | 開場19:00 / 開演20:00 / 終演22:00
Play 1 | Box300 | 開場18:00 / 開演19:00 / 終演22:30
初日のテーマは「3D・構造・リアルタイム」。A/Visions 1に登場するのは、計算生物学の博士号を持つイギリスの電子音楽家Max Cooper。最新アルバム『Feeling Is Structure』を軸に、3D映像と立体音響を組み合わせた没入型のオーディオビジュアルライブを披露する。
Play 1には4組。元To Rococo RotのRobert Lippokと映像作家Lucas Gutierrezによる音と映像のB2B『AVB2BVA』、Grand Riverの新作『Temporary』、モントリオールのSeulementによるストップモーションとモジュラーの『Bricolage Architecture』。国内からはMasayuki Azegami & Seiichi Segaが、来場者全員に3Dグラスを配って3D/AVライブを行う。
DAY 2 | 11.21 (Sat)
A/Visions 2 | Box1000 | 開場17:30 / 開演18:30 / 終演22:00
Play 2 | Box300 | 開場17:00 / 開演18:00 / 終演22:00
2日目のテーマは「知覚・時間・空間」。A/Visions 2には、ポーランドのピアニストHania Raniが、Prophetシンセを軸にしたオルターエゴChilling Bambinoで登場。結成20周年のmouse on the keysは、ヴァイオリンの常田俊太郎とVJのrokapenisを迎えた特別編成で、アンビエントとテクノ・ミニマリズムを映像と空間へ広げる。Ryoichi Kurokawaは2面スクリーンの最新作『nD』を上演する。
Play 2には、イタリアのRiccardo Giovinetto、アルゼンチン出身のNicolás Melmann、フィンランドとデンマークのデュオJohanna Elina Sulkunen & Tapani Toivanen。そしてIRCAMでの研究から生まれたCanblasterとNeurotypiqueのNEUROSCANが、日本初上陸を果たす。
DAY 3 | 11.22 (Sun)
A/Visions 3 | Box1000(全席着席)| 開場18:00 / 開演19:00 / 終演22:00
Play 3 | Box300 | 開場17:00 / 開演18:00 / 終演22:00
3日目のテーマは「身体・舞台・音楽・AI」。全席着席のA/Visions 3では、メディアアーティストの真鍋大度と、MIKIKO率いるダンスカンパニーELEVENPLAYによるダンスインスタレーション『+1+1+1+』を上演。時間と構造をテーマに、ダンサーの身体、映像、光の同期とずれを繰り返す。続いて、カナダのPatrick Watsonによる最新プロジェクトFilm Scores for No Oneが日本初演。モジュラーシンセの即興とネオクラシカルな響きが交差する。
Play 3には、国内からtamanaramenが『DANCE IS BREATHING』を披露。台湾のニューメディアアート・コレクティブDimension Plusは、小説家やコラージュアーティストを迎えた『MOVING PLUS: The World as Prompt』で日本初登場となる。
DAY 4 | 11.23 (Mon/Holiday)
PLASTIKMAN | POLYPHONIC FERMENTATION | Box1000 | 開場17:00 / 開演18:00 / 終演20:00
最終日は、Richie HawtinとAli Demirelによる新プロジェクト「PLASTIKMAN | POLYPHONIC FERMENTATION」の世界初披露。PLASTIKMANの名を冠したパフォーマンスが日本で行われるのは、16年ぶりとなる。
着想は日本酒の「発酵」。麹と酵母が同じ容器の中で同時に働く「並行複発酵」になぞらえ、音と映像が互いに作用しながらひとつの作品になっていく。2026年4月、二人は京都の月桂冠、秋田の新政酒造、石川の吉田酒造店を訪ね、酒蔵で撮影した映像とフィールドレコーディングを作品に取り込んだ。30年以上追求してきた電子音楽と、約20年関わってきた日本酒。Hawtinにとって重要な二つの世界が、ここで交差する。
プロジェクトを貫く、 日本語の「移ろい」。
プロジェクトを貫く概念のひとつが、日本語の「移ろい」。微細で絶え間なく続く変化を感じ取る感性で、目に見えない変化を重ねながら進む発酵にも通じる。以前から二人の表現に息づいてきたこの感覚を、今回はさらに深く探る。
「『POLYPHONIC FERMENTATION』では、Ali Demirelと僕はそのプロセスをさらに押し進め、日本酒造りという有機的なプロセスから、この新しい作品の音と映像、その両方のレイヤーにインスピレーションを得ているんだ」。Hawtinはそう語る。
Richie Hawtin / Ali Demirel
Richie Hawtin
カナダで育った電子音楽アーティスト。Plus 8とMINUSを主宰し、PLASTIKMANとして7枚のアルバムを残してきた。フィジカルからデジタルへのDJの転換を牽引した一人であり、日本酒ソムリエの資格を持つ。ENTER.やOSCといった日本酒のプロジェクトも手がけ、音楽と酒の文化を日本で近づけることに取り組んでいる。
Ali Demirel
ベルリンを拠点とするオーディオビジュアル・アーティスト。原子力工学と建築を学び、90年代初頭から映像作品を制作。Hawtinとの長年の協働で知られ、近年は岩をモチーフに、生態系や風景、神話を織り込んだ映像を手がける。
パフォーマンスのあと、 12月27日まで。
「PLASTIKMAN | POLYPHONIC FERMENTATION」は、パフォーマンスのあと、インスタレーションへと続く。11月23日から12月27日まで、MoN Takanawaの「Tatami」で公開。全貌は近日発表。
INFORMATION
開催情報
- 日程: 2026.11.20 (Fri) - 11.23 (Mon/Holiday)
- 会場: MoN Takanawa: The Museum of Narratives, TAKANAWA GATEWAY CITY, 東京
- 公式: tokyo.mutek.org / Instagram @mutek.jp
チケット
4日間通しのPassportは¥30,000で、販売は10月21日から11月19日まで。Box1000の2F自由席エリアに加えて1Fスタンディングにも入れる「2F Seating Access」付きは¥40,000。1Day Ticketは¥10,000(2F Seating Access付き¥15,000、U25 ¥5,000)で、各公演日の前日まで販売される。当日券は¥13,000(2F Seating Access ¥18,000、U25 ¥5,000)。いずれも予定枚数に達し次第販売終了で、1日券が売り切れた日は当日券の販売はない。
- 着席エリアはすべて自由席。指定席の販売はなし
- 入場時に写真付き身分証明書によるIDチェックあり
- 入場は18歳以上(U25チケット対象者を含む)
- 購入: mutekjp.zaiko.io
クレジット
- 主催: 一般社団法人MUTEK Japan
- 共催: 東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)
- 協力: MoN Takanawa: The Museum of Narratives(一般財団法人JR東日本文化創造財団)、パナソニック プロジェクター&ディスプレイ株式会社、ヤマハ株式会社、Derivative (TouchDesigner)、IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)
- 助成: アーツカウンシル東京「芸術文化魅力創出助成」
- 公式プログラム: ARTE TOKYO(東京国際文化芸術祭)公式パートナープログラム
Mutek
MoN Takanawa, Tokyo
LINEUPDimension Plus · Daito Manabe x ELEVENPLAY · Film Scores for No One - a Patrick Watson project · Grand River · Hania Rani presents Chilling Bambino · Johanna Elina Sulkunen & Tapani Toivanen · Masayuki Azegami & Seiichi Sega · Max Cooper · mouse on the keys · NEUROSCAN (Canblaster & Neurotypique)ほか 6 組
FESTIVAL PAGE →OFFICIAL ↗
音と映像が、互いに作用しながら変化していく。11回目のMUTEK.JPは、その「移ろい」を4日間にわたって見せる。




