一日75万人が行き交うJR大阪駅、そのホームの真上がフロアになる

10月12日、月曜の祝日。JR大阪駅のホームを跨ぐ橋上駅舎の屋上、大阪ステーションシティ5F「時空の広場」が、18時から4時間だけフロアになる。出演はDaito Manabe、食品まつり a.k.a. Foodman、Kuniyuki Takahashi、machìnaの4組。うち3組がLIVE SETで臨む。営業中の駅の、最も人が行き交う場所で開かれるテクノレイヴだ。

会場となる「時空の広場」

ONDO LANDとは

公共空間やユニークベニューを舞台に、その場所の記憶や空気感と響き合う音楽体験をつくる、大阪発の音楽コミュニティ。前身となったのは、2025年10月の「OSAKA STATION RAVE」。終電後のJR大阪駅の改札内で、100人限定、3時間だけ開かれたレイヴだった。誰もいなくなった駅で音が鳴り、人が踊る。駅という公共空間が夜のベニューになりうるかを探る実験だった。

それから1年。舞台は改札の中から、駅の真上へ移る。深夜の無人の駅ではなく、営業中の駅の広場で。周囲には買い物帰りの人、待ち合わせの人、列車を眺める人がいる。その日常の中に、レイヴという非日常の空間を置くことが、今回の狙いだ。

OSAKA STATION RAVEの様子

鉄骨の反復と、列車の往来と、テクノのビート

会場は、駅のホームを跨ぐ橋上駅舎の屋上にあたり、ノースゲートビルディングとサウスゲートビルディングをつないでいる。西日本最大級のターミナルの中心に位置し、大屋根の下に広がる開放的な空間からは、眼下のホームに入る列車と、絶えず動き続ける人の流れを見渡せる。南北に置かれた「金時計」「銀時計」は、大阪駅の待ち合わせ場所として広く親しまれている。

広場を覆う大屋根は、17列の鉄骨トラスが連なるインダストリアルな建築だ。同じ形の骨組みが一定の間隔で繰り返され、視線の先まで続いていく。テクノもまた、同じビートを繰り返しながら少しずつ変化していく反復の音楽。異なるリズムが、同じ空間で重なっていく。

3組のLIVE SETと、Rhizomatiksを率いる1人

LIVE SETでは、モジュラーシンセやドラムマシンを直接操り、リズムや音色をその場で組み立てていく。フロアの熱気が、そのまま音に反映される。そこにDaito Manabeが加わり、テクノを軸に、音楽とテクノロジーが交差する夜になる。

Daito Manabe

アーティスト、プログラマ、コンポーザー。2006年にRhizomatiksを設立し、プログラミング、音楽、映像、身体表現を融合した作品を国内外で発表してきた。2016年リオデジャネイロオリンピック閉会式の東京への引き継ぎセレモニーでは、演出技術の開発と映像・光の演出システムを担当。Perfume、坂本龍一、Björk、Squarepusherらとのコラボレーションを続け、生命や知能の振る舞いから音楽と映像を生成する表現を、ライブパフォーマンスや公共空間で展開している。

Daito Manabe

Foodman(LIVE SET)

名古屋出身の電子音楽家。2012年のデビュー以降、国内外のレーベルからリリースを重ね、UnsoundやBoiler Roomに出演。2021年にUKの〈Hyperdub〉から発表したアルバム『Yasuragi Land』はPitchforkの年間ベストに選出され、2026年7月には同レーベルから最新作『HIKARIGASASHIKOMU』をリリースした。沖縄のルーツとシカゴ・フットワークが交差する独自のサウンドで知られ、NTS Radioのレジデントも務める。

Foodman

Kuniyuki Takahashi(LIVE SET)

札幌を拠点に活動するプロデューサー。Joe Claussell主宰の〈Natural Resource〉や〈Mule Musiq〉からのリリースで世界のDJから支持を集め、2018年にはオランダの〈Music From Memory〉から80〜90年代の過去作品が発表された。近年はヨーロッパ、南アフリカ、ブラジルなどでライブを重ね、Henrik SchwarzやFloating Pointsとのセッションライブも行う。即興性とダンスミュージックを融合した、独自のライブスタイルで知られる。

Kuniyuki Takahashi

machìna(LIVE SET)

東京とベルリンを拠点に活動する韓国出身のアーティスト。モジュラーシンセを中心とした即興演奏とボーカルを組み合わせたライブで知られ、MUTEK JapanやベルリンのBerghainに出演、2023年にはRichie Hawtinとの欧米ツアーに参加した。Tresorのコンピレーションへの参加やBicep「Hawk」へのフィーチャリングに加え、Prada、Miu Miu、NIKEとのコラボレーションも手がける。

machìna

サウンドシステムには、レイヴの現場で多く採用されているTW AUDIOを導入。広場の空間特性に合わせて構成される。

INFORMATION

チケットは前売¥2,000、U-23 ¥1,000、当日¥2,500。ZAIKOおよびResident Advisorで販売中。入退場は自由で、入場料にドリンク代は含まれない。前売券が完売した場合、当日券の販売はない。

U-23チケットは、入場時に年齢を確認できる証明書の提示が必要。中学生以下は保護者同伴で入場無料、18歳以下の入場には保護者の同伴が必要となる。会場は屋根付きのため、雨天でも開催される。

列車を見下ろしながら、踊る。
一日75万人が行き交う駅の真上で、都市のリズムとテクノが重なる一夜。